周りに気をつかいすぎてしんどくなっていませんか?
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HSP(Highly Sensitive Person)※
※子どもの場合はHSC(Highly Sensitive Child)
アメリカの心理学者エレイン・アーロン博士が提唱したこの言葉は、直訳すると「敏感すぎる人」。
著者は親しみを込めて「繊細さん」と呼んでいます。
HSP当事者であり、多くの繊細さんの声を聴いてきたカウンセラーでもある著者は、繊細さを「克服すべき課題」ではなく「いいもの」であると言います。
本書は、当事者である著者だからこそ書ける、繊細さんが前向きに生きていくための実用書です。
第1章は、「繊細さん」の実態と、その原因(脳の神経システムの違い)について。
「繊細さん」は、気づいたことに半自動的に対応してしまい、結果、周りに振り回されてしまいます。
そんな時は
- 気づいたときにわずかでも踏みとどまって「私はどうしたいんだっけ?」と自分に問いかけ、対応するかどうか、また、対応するならその方法を、自分で「選ぶ」こと
- 「こうしたい」という本音をキャッチし、自分の本音を大切にすること
が大事だと説きます。
第2章は、刺激から自分を守る五感別のコツ。
第3章は、人間関係をラクにする技術です。
- 自分を出せば出すほど、自分に合う人が集まってラクになること
- 「キライ」は大切なセンサー。人を嫌えるようになろう
- 相手と境界線を引いて、自分のペースを守る
- 人に頼れるようになる練習
等のポイントが記されています。
第1章のとおり繊細さんにとって「自分で選ぶ」ことはとても重要です。
だから、自分自身の選択を尊重してくれる人、つまり「自分の感覚を肯定し、共感できる人とつながる」ことができれば、人間関係はとても楽になります。
第4章は、肩の力を抜いて、のびのび働く技術についてです。
- マルチタスクを乗り切るシンプル習慣
- 不機嫌な人への対処法―他人の感情は放っておく
- 「頑張っても自信が持てない時」のチェックポイント
- 全力で逃げるべきときがある
等、実用的なアドバイスが並びます。
言われすぎて形骸化しているかもしれませんが、やはり、「まわりに相談することで働きやすい環境を作ること」が大切です。
第5章では、前章までの、どちらかと言うとマイナスに対処する方法から一歩歩みを進め、より積極的な、「繊細さんが自分を生かす技術」が記されています。
我慢して息をひそめて生きるのではなく、私たちが自分のありたい姿に生きるために何が必要か?
『我慢をやめて本音を大切にすることで「私はこれが好き。こうしたい」と自分の軸が太くなっていきます。』と、著者は言います。
空気を読むこと、周囲の期待に応えることで、自分を押し殺してしまう「繊細さん」。
それ自体は決して「悪いこと」ではありません。
けれど、どうか優しい繊細さんが、少しでも「自分の声」を大事にできますように。
何かお手伝いできることがあれば、いつでも当相談所までご相談ください。
238頁 定価(本体1204円+税)ISBN978-86410-626-9 C0030