Skip to main content

【本の紹介】子どもの脳をつくる最高の睡眠  千葉伸太郎著 

 

「よい睡眠」、「鼻呼吸」、「子どもの脳」…これらの言葉、結びつきますか?

*****

睡眠は、私たちの疲れた心身をときほぐしてくれます。

そして子どもにとっての「よい睡眠」は、発達や成長を促進させる働きがあることはもちろん、脳を創る働きをしています。

「成長期の脳とカラダは、眠りで創られます」と、耳鼻咽喉科医であり、睡眠専門医である著者は言います。

睡眠は体の成長に必要であるとの共通認識に比べ、「睡眠によって脳が作られる」という認識はあまり広く共有されていないように思います。

耳鼻咽喉科医、睡眠専門医として多くの患者を診察し続けている著者は、まず知ってほしいこととして

  1. 子どもの脳を創る眠りとはどういうものか
  2. 眠りの質によっていかに生き方がかわるか
  3. どうすれば脳を創る眠り(=よい眠り)ができるかを知り、まずは大人から変わらなければならない
  4. 幼いころの正しい呼吸習慣が成長にいかに重要かを理解し、わが子に実践する
  5. その実践には、自然な鼻呼吸を習慣づけることと、のどと口のエクササイズが有効である

の5つを挙げています。

 

「よい睡眠って話が大きすぎて何から手を付ければ良いのか…」と心配する必要はありません。

本書は

第1章:子どもの「脳とカラダを創る眠り」とは?

第2章:できる子に育てる!グッドスリープの習慣と工夫

第3章:気づいてあげて!子どもの睡眠トラブル

第4章:「お口ポカン」をやめさせるだけで呼吸も眠りも変えられる!

の4章構成となっており、子どもだけでなく、大人でも今から実践できる役立つ内容でした。

特に著者の「鼻呼吸が子どもを救う」の言葉は、個人的にはもっと主語を広げて、「鼻呼吸が人間を救う」と言い替えてもいいのでは…とすら思いました。

 

「無呼吸症の予防には、なによりもまず鼻呼吸の確立が重要である。乳幼児期からの正常な鼻呼吸が、子どもたちの成長を正常に促すことになり、ひいては、将来の無呼吸の予防になる」とのギルミノー博士の言葉に感銘を受けた著者は、とにかく鼻呼吸の重要性を説きます。

「呼吸の基本は鼻。起きているときも、寝ているときも、鼻呼吸をすること」「よい眠りは鼻呼吸から」、です。

 

これが唯一の最適解だと断言するものではありませんが、もし体質上の問題は無いけれどなかなか実践できない…という方がいらっしゃれば、是非、この著書に書かれている「子どもの口呼吸を改善するメソッド」を学んでみてください。大人も同じですね。

210頁 定価(本体1400円+税)ISBN978-4-569-84690-3 C0030