あなたと、子どもの、「心の安全基地」はどこですか?
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『不登校という表面に表れていることは、問題の本質ではないのです。』
『子どもの心の底にある、たくさんの自己否定感です。
何かのきっかけで生まれてしまった思い込みによって、心の中にたくさんの×印がつき、重くて、苦しくて動けなくなってしまうのです。』
“不登校”を子どもからの「メッセージ」と捉え、著者の体験(三女の不登校)から、
親子の信頼関係の回復、そして、三女が不登校から抜け出し希望する大学に合格するまでを、心理学的に母親の視点で書いた著書です。
『「心の安全基地」。娘の「ここに居場所がない」といった言葉は、そのまま自分の家に、家庭に、心の安全基地がないと叫んでいたのだと気づき、ハンマーで頭を殴られたようでした。』と著者は言います。
さらに、『人は誰かから認められたい生き物です』と承認の重要性にも触れています。
承認は『生きるエネルギー』であり、その種類は『大きく分けて3つあります。結果の承認、過程・変化の承認、存在の承認』であり、大切なのは、『過程・変化と存在の承認』であると。
子どもをありのまま受け容れる重要性はわかっているけど、実際にどうすれば…と思いますよね。
著者はこう綴ります。
『受け容れて見守るというのは、ある意味であきらめることなのです。ただ、現代で使われている「あきらめる」とは少し違います。』『子どもに対して執着するのをやめて、そのままの姿を良いも悪いもなく受け容れようという姿勢です。』『前向きにあきらめる。それは子どものそのままを受け容れることなのです。』
一方で、心の安全基地を作るために頑張るお母さんにも優しくこう言います。
お母さんの心が軽くなるためのヒントは、『親の人生と子どもの人生。お互いにそのストーリーの中で大切な存在であるけれど、主人公は他でもない自分自身なのです。』と。
131頁 ペーパーバック 定価:1430円(消費税込み) ASIN B098XCBFQB